======================================================  クライオニクス・マガジン(第19号 2000/11) ====================================================== またまた遅れての発行です。アルコーの報告+1です ======================================================  アルコーカンファレンスの報告 ====================================================== ちょっと遅くなりましたがアルコーが6月に開催した会議の 報告をします。われわれの見方では、アルコーの現在を限界 を示すように思えます。Eric Drexsler, Ralph Merkleという ナノテクノロジー関係者がやはり中心です。かれらは会議で 最初にこう宣言しました。 「まず、より少ない損傷で保存する技術、次に 損傷した組織をより完全に復元する技術が必要だ。」 この見方が間違えているとは思いません。ナノテクは クライオニクスに大いに貢献するでしょう。しかし、 一端活動停止した生命体の活動を再開するにはもっと 別の技術も必要なはずなのです。21CMが研究している ものです。 今年、ひとのゲノムが解析されたことにより、老化防止の 研究への期待も高まっています。アルコーの機関誌では このカンファレンスのプレゼンテーションについて8人 を7ページで紹介していますが、Glennna Burmer博士の 「老化遺伝子の特定」や Michael West博士の「クローン による人の治療」は1ページ以上割いて報告されています。 もちろんこれははクライオニクスにとって重要な技術です。 しかし、それは周辺技術なのです。 本流の21CMからは Brian Wowk と Grag Fahy がプレゼン しました。確かに内容としては2年前に大々的に発表した 新技術の研究(http://www.kanon.to/21cm1998.htmlを参照 ください)がたんたんと進んでいることを述べているだけで 目新しくはないのですが、7ページの報告の最後のページ で二人のプレゼンが紹介されていただけです。もう少し 光を当てる必要があると思いました。 このカンファレンスには200人が参加しました。 ちょっと不謹慎ですが、おもしろかったのは、 会議中に一人の参加者が倒れ、危険な状況に陥ったの ですが、アルコーのレスキューチームはすばやく動き、 サスペンション(低温保存)の準備を整え、 救急体制がきちんと機能することを証明したとのことです。 (このメンバは幸い死にいたりませんでした) 来年こそはJCAから参加したいものです。 ======================================================  日本でもナノテクを推進 ====================================================== これもちょっと旧聞に属しますが、科学技術庁は、8月に つくばにある物質材料研究機構の内部に「ナノテク物質研究 センター」を設置すると発表しました。2001年度予算で 33億円です。周知のように米国はナノテクを国家戦略上の 最重要技術のひとつと位置づけ推進しています。日本は 重要な技術である研究室が先行しながら、周囲の理解が得られず 米国に破れるという事例が多いです。ナノテクはぜひ先頭を 走ってもらいたいと思っております。 ============クライオニクス・マガジン============ ・毎月1日発行 ・発行者:JCA(e-mail : cryo-j@kanon.to) ・発行人:山本 邦雄 ・このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) http://www.kanon.to/jcamag.htmlから登録・解除ができます。 ・本メールマガジンはパブジーンからも発行しています。 http://www.pubzine.com/detail.asp?id=793 から登録・解除ができます。 =================================================