■■■ ■ ■ ポリフォニーの奥義 ■                        緑川ひかる 「ジョスカン・デ・プレに至って、それまでのポリフォニー技術が 密教性表出にふさわしいものと自覚されるに至った。」 と書いたのは、音楽史の大家、ヴィオラです。ジョスカンの 代表作、「ミサ・パンジェ・リングア(舌よ歌え)」の 優れたポリフォニーのからみあいは、まさに聖堂のようです。 以前、恍惚に至る作曲家として、バッハをあげました。 ポリフォニーはフーガに発展し、技術でありながらそれを 超越する、ひとを神学者ティリッヒがいうところの 「理性の深奥(Depth or reason)」に導くものになったと 言われています。それを体感したい方は、ぜひ、バッハの ミサ曲ロ短調をお聴きください。 バッハをバロックの代表とすればジョスカンはルネサンスの代表。 古典派は以前も紹介したベートーベン、ロマン派はブラームス。 ドイツ・レクイエム第3曲のフーガなど圧巻で、ひかるを神様の みもとに連れて行ってくれます。 あと一人、ぜひ忘れてはならない作曲家がいます。ヘンデルです。 ポリフォニーの奥義を極めたのはバッハとしても、ヘンデルの魅力は それに勝るとも劣りません。それは多分、ヘンデルが人間の側から 音楽を作っていたからでしょう。バッハは神の側から見ていたのです。 メサイアの終曲アーメンコーラスでは、言葉では神を称えていますが 音楽は人間を称えています。人間賛歌なのです。12月17日に るんるんアヒルが芸大メサイアでオルガン弾きます。 どなたか、ごいっしょしませんか?