■■■ ■ ■ トランスヒューマニズムの紹介 ■ ■                               緑川ひかる 人間は変らねばならんのではないか? 20世紀になって、科学技術そのものでは人類を救えないことが明白になって きたとき、人間存在を内面から変える試みがいろんな方向でなされた。 宗教もあり、禅もあった。中でもひかるのお気にいりはトランスパーソナル であった。「超個主義」としか訳しようのないこの言葉は、世界を息つまらせて いるのは人間の個人主義であり、それを「超える」必要がある。という考え方だ。 ユングの「集合意識」などがその古典的成果と言えよう。先月紹介した ビジョン・クエストもその範疇と言っていいだろう。 トランルパーソナルの火は消えていないが、今週はもっと「跳んでる」主義を 紹介する。それは「トランスヒューマン」であり、科学で人間を変えてしまおう という活動だ。ひかるはこの活動に怪しさを感じながらずっとつきあっている。 なかなかに魅力的なのだ。トランスヒューマニズムの範囲は広い。しかし あえて2本の柱を探すとすれば、Life Extension と Nanotechnology である。 Life Extensionは不死の存在になろうという不遜な試みである。人体を低温保存 するクライオニクスや意識をコンピュータに移してしまおうとするマインド・ アップロードなどだ。死を超越したら人類はどうなるのだろう?  Nanotechnologyはとても小さいコンピュータつきのロボットが物質の構造を 変えるという未来像が描かれている。人間が「神の手」を持とうとするこれも 不遜な試みだ。しかし、ひかる的には魅力を禁じ得ない。 参考までに、Transhuman, Life Extension(Cryonics), nanotechnologyの 総本山と言えるWEBサイトを紹介する。もちろん、全部英語である。 心して読むよーに。 http://www.extropy.org/ http://www.alcor.org/ http://www.foresight.org/