■■■ ■ ■ 復活祭によせて ■ ■                            緑川ひかる 今日は復活祭です。イエスのお友達(笑)であるひかるにとっては特別な日です。 まず、バッハのカンタータ4番を聞いて、静かにお祝いをすることにしましょう。 復活祭は、イエスがよみがえったとされた記念日で、欧米ではクリスマスと同じ位 大切な日です。この大切な日を最も彩ることができるのは、やはりバッハの カンタータですねー 今日はちょっとカンタータの話をしましょう。 バッハのカンタータは200曲あります。これは、64X3+アルファなのです。 64というのは、バッハ時代の教会で人を集めて礼拝をやる日数です。日曜だけで 52日あります。日曜以外、たとえばクリスマスは新年などを加え64になります。 バッハはこの64日のカンタータを3年分作りました。ある特定の日のための曲は 3曲あれば十分です。この時代、録音はないので、3年前に演奏された曲なんて 誰も覚えていません。よって、人々は常に新しい音楽に触れる感動を味わえる わけです。 バッハのカンタータは、教会暦に沿って書かれています。バッハに触れるとき、 教会暦のことに触れないわけにはいきません。教会暦は、イエスが語ったこと、 イエスの身に起こったことを、ひとつひとつ切り出して、礼拝で取り上げます。 バッハの時代のルーテル教会では、1年に64日礼拝があったので、64の イエスについての「お話」があるのです。人々は、この64のお話によって イエスの生涯を1年かけて「追体験」することになるのです。 追体験するにはただ聖書の言葉を読むだけではいけません。それを「解説」 して「頭」で理解させるのが牧師による説教で、音楽で「感性」に訴えて 体感させるのがカンタータなのです。 カンタータでは、その日の礼拝で朗読される 聖書の言葉=イエスの生涯の一断面 についての言葉が歌われます。たとえば復活祭のカンタータ4番は以下のように 音楽が進みます。 第一曲で「キリストは死の縄にとらわれた」と合唱が歌います。第二曲では女性 ディエットが悲しみを歌います。あたかもマリアの嘆きのようです。 その後、生と死の戦いの場面を描写し、神の「定め」が語られ、喜びの歌で 曲が終わります。名曲中の名曲です。ぜひどうぞ。 ひかるのカンタータベスト5は以下のものです。 演奏は、古くなったけどやっぱりカール・リヒターがいいですね。 カンタータ82番  我は満ちたれり カンタータ147番 心と口と行いと生活もて カンタータ140番 目覚めよ、と我らに呼ばわる物見らの声 カンタータ106番 神の時こそいと良き時 そして、カンタータ4番 キリストは死の縄にとらわれり です。 「古臭い」「生真面目でいや!」とおっしゃらず、ぜひお試しください。 多くのジャズ奏者が言ってます。「古今東西、最高のベースラインを 書いたのはバッハだ。」 まったく同感!