Paul Wakfer さんの5月24日のプレゼン


速記録ですので内容に不備があるかもしれません。間違いもあるでしょう。
読みにくいところも多いです。ご了承ください。

date:	1998/05/24.sun
time:	13:00-15:00pm
place:	ginza,6 lunoar 2f meeting-room
people:	11(m7/f4)

●プレゼンテーション
タイペイの会議で医師を相手に使ったプレゼン資料を使って話す。タイペイの会議で
はクライオニクスのプラス面とマイナス面、そして目的について話した。二つのグ
ループに分かれた。
制限のない生命に向けて天寿を全うする技術について話していきたい。

私は60である。100までいきるかもしれないが、
死は自分が最後の世代になるのではないか? と思える。
病気を煩っている人にとっても福音になるだろう。たとえばスーパーマン
の主人公は首を骨折して不自由になっている。体の自由が利かない
状態でも、50年を飛び越えることができれば、治療を受けることができる
のではないか、冷凍保存によって、完治することでその人の人生の質が高まるの
ではないか?

●クライオニクスの考え方

クライオニクスの概念、生命を保存する、最初に考えた人は分からない。エッチン
ジャーと言う人が本「不死の展望」で書いた。しかし西洋の概念では不死という概念
は宗教的なものであり、人間が死なないと言うことはないだろう。自分は制限のない
という言葉を使った。死ぬのではないと言うことを表したかった。
生命保存という言葉を訳すのに、再生可能な停止状態という意味になる。DNAでも
保存ができる。従って絶滅が心配されている種を保存することができる。しかし考え
や記憶が残るのかについては、まだ良く分からない。高いレベルの記憶にはついては
調査しなければ分からない。
三つのステップがある。たとえ話で言うと、救急車があなたを未来に連れていくと考
えると良いだろう。治療法が確立された未来につれていってくれると考えてもらえる
と嬉しい。危険がないと言っている人がいるが、もちろん危険はあります。凍らせる
ことによってダメージも起こるだろう。

●クライオニクスの考え方2

クライオニクスの考え方で一番大切なのは、全く新しい考え方を人に突きつけること
になる。生命とか人とかいうことではないだろうか。死を宣言されて科学的な
死を迎えて生き返ったら別の人になると言うことなのだろうか?脳とは身体を入れ替
えると前と同じ人なのか、別の人なのか?クライオニクスの考え方を広めるに当たっ
て、こららの考え方を投げかけていくことを同時に行うことが必要であろう。手術に
おいても全ての人が助かるわけではない。これは例えとしてクライオニクスの考える
メタファーだろう。
 持っている情報でその人が誰かと言うことが決まるのではないか?自分思っている
情報やメモリーを人に入れるとしたらどうなるのだろうか?その人は自分になるのだ
ろうか?マインドアップロードのというさらに進んだ考え方もある。その人の頭の情
報を今イー谷アップロードし、再度ダウンロードする。研究者は物理的な身体を考え
ていないが戻したからだが機会だったとき、その機械はあなたになるのだろうか?
 理解するためには、まずやることと、麻酔というものもクライオニクスに似てい
る。麻酔は完璧ではない。20分程度であれば、変わらない。複雑な手術であった場
合、8時間の手術などの場合は麻酔からよみがえってきたあと具合が悪くなってきた
などということもある。クライオニクスも同じようなものではないだろうか?完全に
戻ってくる人は戻ってくるし、クライオニクスが完全でなければ、その人も完全には
戻ってこないだろう。

 生命と死と言えば、もっと科学的にこの二つは考えなければいけないだろう。コン
ピュータのようにハードとソフトとにわけて考えなければいけないだろう。基本的に
はハードはどうでも良い。記憶したいのはその人の記憶である。人のDNAだけをコ
ピーすれば、滅亡に貧している種を保存することがひつようではないか?人をハード
とソフトとして理解するのであれば、発生脳の野考え方としては、その人の脳を保存
したいのであれば、データにしてコンピュータに入れる。逆にコンピュータからの
データを脳に戻す。宇宙開発の分野で従来はロケットの中に人が入らなければいけな
かったが、これからは人のデータを入れておいて、宇宙線の機器がその人の耳と目に
なるという考え方もある。

●重要な考え方が、何が悪いのか?

アップローディングの話をすると、非人間的に聞こえるかもしれないが、感覚を取り
替えて、役に立つのであれば、追加の機能として考えれば良いのではないだろうか?
他の形態に移動するのであっても、他の進化したことを加えていけばよいのではない
か?
クライオニクスというアイデアは、すばらしいアイデアだったが、やり方が悪かっ
た。実際に凍った人75人しかいなかった。当初は年間に数千人しかいない。33年
間の間である。すばらしい人たちが死んでなくなっていくことは非常に残念なこと
だ。
クライオニクスはクライオバイオロジストから縁を切った。
クライオバイオロジスト、ある時期から非常にクライオニクスに対し否定的な見方を
するようになった。かれらはアイデアを売るのは積極的だが、液体窒素で凍らせれば
良いと考え、待っている人たちである。
台湾の話では、クライオニクスの成功例がないから分からない、証拠がないといわれ
た。成功例がないという指摘はその通りではあるが、絶対に上手く行かないと言う証
拠もないと答えた。クライオニクスはガンの治療とは違う。クライオニクスの場合は
死ぬか凍るかと二つのチョイスが出てくる。

80年代からの成功事例について話す。ビタミンや栄養の成果が上がっている。
昔はビタミンが老化防止に役立つとは思われなかったが今は成功している。成功
の背景には多くのリサーチの量の差が出てくると思われる。クライオニクスは成長も
遅かった。が、成功することは不可能ではない。

●ナノテクノロジーについて

プラス面とマイナス面がある。前者は、、会員を増やしてくれた、
後者はナノテクノロジーに惹かれて皆がそちらに期待しすぎた。
そのためクライオニクス研究もおろそかになった。
ナノテクノロジーの場合は記憶が残らないという問題が出てく
ると思われる。完全に成功するやり方を今自分たちは求めている。

●クライオニクスファウンディング

タイペイでは、生命保存サービスがたちあがろうとしている。
去年1年間で30万ドルがクライオニクスのプロモーションに使っている。
1年間に10人、クライオニクスのケアを受けることができるようになる。
ファンドの20%をリサーチに使うことになっている。

●冷凍保存のダメージ

自分の身体の状況が非常に悪くなる前にやる。アルツハイマーなど加齢でひどくなる
問題が放ったらかしになっているが、病状が振興する前に冷凍保存してもらうという
選択が可能になります。
死んでいく死に至る前にいろいろなことが起こる。非常に悪い状態になる。いろいろ
な死に方があるのだが、心臓の機能や各種臓器の障害の併発。
いろいろな意味で死んでいく過程でのダメージをクライオニクスを成功させるために
は健康体で死ぬことが必要である。
効率が悪くてダメージが起きることもある。患者の移動、適切な移動、など。完全に
成功するクライオニクスは迅速に正しく行われることが必要である。
別のタイプのダメージとしては血液の代わりに入れる薬品は保存性高めるが、えてし
て薬品には毒性がある。ビタミンでも同様で適量でないと換えってダメージが出てく
る。
リサーチが充分ではないが、氷で身体が傷つくのを防ぐために何百もの薬品を入れる
が、同時使用により相乗効果についての充分な研究が進んでいないので今後調べてい
くことが必要だ。
氷ができることについて、氷ができること自体はダメージにはならない。塩分が0。
9%が通常だが、ここに5%の塩分を注入すると、塩の結晶が赤血球にアタックする
から様々なダメージが起こる。
もう一つ重要なことは細胞の中で凍ってくるとひび割れが起きる。ひび割れには二種
類ある。マイクロ顕微鏡だと細胞の小さな傷やひびが分かる。小さなひび割れはゆっ
くり凍らせても発生する。
このような細胞のひび割れや濃度の高まりを避けるためにガラス化と言うことを試み
ている。その状態では結晶することもなく、組織ができていくこともなく、固まった
状態となる。充分な化学薬品を入れて冷やすという形を取る。グラストランジション
とは動きのなくなる状態まで動きが止まる。変化のない状態が続く。
今までこの方法が採用されなかったかというと高い濃度の化学物質を入れることに毒
性の観点から敬遠されていたからである。しかし氷のダメージがましとの理解だっ
た。
それほど高くない濃度で素早く凍らせることが必要である。素早く凍らせることがで
きればそれだけ使用される薬品の量も少なくて済む。
複数の薬品を使い分けることで身体全体の凍る温度を上手く調整し氷点以下で調整
することが動物実験で成功した。
早く冷やす方法として現在考えられているのが、フロンを使った冷凍法である。
成功するためには、小さなひび割れと大きなひび割れを防止するためにガラス化する
ときの温度を調整することが必要だ。それによってコスト的にも安く薬品の使用量も
少なくて済む。このようなアクティブクーリングの手法が必要である。
機能の再生については、cpa(化学薬品)カクテルという考え方で副作用を減らす
調査も進められている。
グレッグ・フェイは兎の腎臓を使って、cpaを使った急速冷凍の調査をした。
マイナス45度まで下げ、氷化の前から再度温度を上げた上で、
他の兎に移植したところ心臓の機能が再生されたことが確かめられた。

この実験で毒性の検査を行い、温度を上げていくときにも急速に上げないと氷のでき
ることが分かった。

2年前、腎臓は非常に複雑な組織だったがこれがうまくいった。グレッグ氏の功績。
研究費も集まった。腎臓と脳とは違っており、脳が再生されるかは十分に調査される
ことが必要であろう。

●プロメテウスプロジェクト

完全な冷凍保存と再生(生命保存と再生)完全な前進の冷凍保存を20年以内に、脳
だけの冷凍保存を行いたい。調査結果を出して現実的な可能性をしっかりとアピール
したい。実際に誰かがアクションを起こしてリサーチをすることが必要であろう。

現実的な医学研究に焦点を当てていた。自分は冷凍保存に焦点を当てて利益の出るプ
ロジェクトを考えていた。21CMというところが姿勢を変えて冷凍保存
を支援するようになってきた。

●革命的な利益

突発事故によらない死がなくなる。
寿命を人生を長くできるというメリットがあるが、理解されにくい。中途半端に死ぬ
(子どもや働き盛りの時)というような望まれない死をなくすことは単純に良いこと
ではないと思う。
最初の頃は浦島太郎と同じような問題だったが、普通の人が普通に天寿を全うするこ
とを支援する。10歳の子どもが10歳のまま冷凍保存し10年後完治できる状態に
なってから復帰する。

人生に与えられた時間があまりにも短すぎると言う思いが今回の研究の発端になって
いる。死によってその人の頭の中にある知識や経験がなくなってしまうから。クライ
オニクスによってそれらの知識や経験が残されるのだ。
もしこの人生がもっと長くなれば病気への治療法ももっと真剣に考えるようになるだ
ろう。一千年も何千年もいきるようになるとすると、治療法開発にむけた取り組みも
また変わってくるだろう。